ナナイロ・ツバサ
ブゥーン、ブゥンブンブン・・・。
確かにコンビニにいつもいる不良のバイク音。
気が付いてコンビニを見た時には、誰も居なかった。
そして周りを見たら、ここはケンカの修羅場。
私の周りではドラマでありそうな喧嘩が行われていた。
私は、動いたら巻き込まれてそうで、ドキドキしながら周りに気をとられていた。
「おい、チビ。」
肩を触られた。
後ろから聞こえる低い声。
私はビックリして振り返った。
「ここ、あぶねーぞ。」
「え?」
声をかけた彼は、コンビニのグルの不良なのか、連れて行こうとしたグルの不良なのかわからない。
「ほら、逃げるぞ。」
私はまた腕を掴まれた。
でも、さっきとは全然違った。
ごつごつした手だけれど、やさしさに包まれた気がした。
腕を掴まれ、喧嘩の隙間を走って逃げる。
たまに襲って来そうな相手は、腕を掴んでいる彼が殴って、一撃で倒してしまう。
しばらくたって、バイクの前に着いた。
バイクはコンビニから100メートルぐらいの所に止めてあって、いつものコンビニのグルだと確信した。
「おい、乗らねえのかよ?」
きずいたときには、彼はバイクに乗っていた。
私は頷いて、初めてバイクに乗る。
「しっかり、つかまってろよ?」
彼の言葉の後、バイクは凄いスピードで動き出した。