ナナイロ・ツバサ

「聖夜。やっぱり、あれはシェイクシャークだ!」

聖夜さんの部下?でもタメ口?

「そっか・・・。」


「・・・・?」

私はその会話が全然分からなかった。

「結。お前を襲おうとしたやつのこと覚えてるか?」

私を襲おうとしたやつ・・・。

私は、少し思い出した。

「ホッペの傷・・・。」

「ほっぺの傷?」


私はうなずいた。

「みんな、ホッペに傷がついたやつ探せ。」

聖夜さんはみんなに命令する。

「はい!」

みんなは外に出る。


「これで、見つかればもう心配ない。よかったな。」

また聖夜さんは笑った。

「はい。」


不良でも、やさしい人はいるんだなと思った。

不良でひと塊にさせたら、こんな良いことをしてくれた、彼らがかわいそうだった。


「あの?」

「ん?」

「ここって?」

「ナナイロツバサの本拠地。」

「ナナイロツバサ?」

「俺たちのグルの名前。」

ナナイロツバサ・・・?

「なんで、そんなかわいい名前に?」

私は興味を持ち出した。


「いや・・・最初7人でグルを作ったんだよ。その初代のリーダーがツバサって名前だっただけ。」

「そうなんですか?今って、リーダーは?」

聖夜さんだろうと思っていた。

そんな目をしていたのだろうか。

彼は笑って否定した。

「俺じゃないよ。」

「え?」

まるで、心の中の気持ちがばれたようだった。

「俺の上にもう一人いるの、全然来ねぇけどな。」

彼は笑ってごまかした。

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