ナナイロ・ツバサ
私は腕時計を見た。

もう12時・・・。


「あの・・・私、もう帰らなきゃ・・・いけなくて。」

「そうか。じゃあ、送っていくよ。」

えっ!?そこまでしてくれる!?

「ホントですか?!」

私はここにきて初めて大声を出してしまった。

「おう。あたりめぇだろ?女の子をこんな時間に歩かせるかよ?」


そう言って聖夜さんは、外に出てバイクのエンジンをかける。

私はその音を聞いてから、外に出た。


「ほら、乗れ?」

今度はちゃんと、ヘルメットをくれた。

「ありがとうございます・・・。」

「それと、多分俺の方が年上だけど、タメ口で良いよ。俺の下っ端見て分かっただろ?」

「・・・・。」

「こんな形で出会ったのも運命だしさ。」


私はヘルメットをつけながら、うなずいた。

「あ・・ありがとう・・・。」


「ほらっ、さっさと乗れ。」

「・・・うん。」


バイクは走り出した。
< 17 / 18 >

この作品をシェア

pagetop