ナナイロ・ツバサ
長いバスも降り、駅についた。

私と蓮にいは、まだ喋れないまま。



蓮にいとのお別れまで、あと30分と迫っていた。


新幹線のホームまで無口で歩いてきた。

「・・・もう、帰っていいよ。」

蓮にいは口を開けた。

「でも・・・!」

「帰るのに時間かかるだろうし・・・、あんなことしちゃったのに、今結と話せないよ・・・。」

帰った方が良いと思った。

本当にかわいそうだったから。

「わかった。・・・バイバイ?」

私は歩いてホームの階段の方へ向かう。

「まって!」

後ろから声が聞こえた。

私が振り向いたら、蓮にいは照れ隠しに髪をいじくりながら、

「一人暮らしがさ・・・落ち着いたら、東京・・・遊びに来てよ。」

「うん!」

私が笑って返事すると、彼も笑う。

「じゃあな?」

「バイバイ!」

それから、私は家に帰った。

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