【二重人格王子とsweetLIFE‼︎⁉︎】
裏だったら本当に俺様だなぁ…。
「ん。いーよー。」
バス停から少し歩いて涼しげな林についた。
「ここの中。」
それだけ言うと先に進んでいく咲斗。
ここではぐれたら私一生帰れないっ!!
「わ!ま、まってっ!」
小走りで咲斗の隣まで走って並ぶ。
夕日が木々の隙間から漏れて何とも言えない気持ちになる。
「……………ここだ。」
咲斗が目の前の木を手でかき分ける。
目の前に広がっているのは、夕日が沈みかけてオレンジ色に染まっている海。
「なに、これ………キレイ……。」
「……だろ?一番好きな場所。」
ここが……。
「……変わってねぇな。本当。(ボソッ」
「……ん?何か言った??」
「いってねぇよ。」
「??そっか。」
どれくらいの時間がたったんだろう?
わからなくなるくらい長い間、2人で海を眺めていた。
「……麗愛。」
「ん?」
「もしも。
…もしもさ。
俺らが昔、会ってたとしたら、どうする??」
ざあっと私と咲斗の間に風が吹いた。
…私と、咲斗が??
昔あったことがあるの?