寵愛の姫 Ⅰ【完】



「……何やってんだ。」



それは、私が待ち望んだ人の声で……。




はっと視線を向ければ、無表情で叶くんが佇んでいた。



「っ、叶くん。」



じゅわりと私の目が潤む。



…………会えた。




もう良い。



それだけで十分。




総長だろうが構わない。




叶くんが叶くんであれば、私はそれで良かった。
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