寵愛の姫 Ⅰ【完】




「…………何の事ですか?」



意味が分からない。



「あ?」



叶くんの低い声。



「惚けんのか?」


「…惚けるって言われても…。」




本当に叶くんの言っている意味が分からなかった。


「…………チッ。」



困惑していれば、舌打ちした叶くんは(おもむろ)にポケットから紙みたいな物を取り出すと、


私の方へと放り投げた。
< 128 / 381 >

この作品をシェア

pagetop