寵愛の姫 Ⅰ【完】




「……、」



ふと、腕に感じる震え。




……何だ?





何だと隣を見下ろせば、俯く女の腕が震えていた。




姉のした事にショックを受けたのかも知れない。



「おい、」



―――大丈夫か?




……そんな問いは、最後まで出ることはなかった。




「………ふふ」



突如、高い笑い声。




なぁ、


……何でそんなに笑ってんだよ。
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