寵愛の姫 Ⅰ【完】




「私の両親は莉茉を大嫌いだから、物を買ってあげる事がないのね?」



くるくると自分の髪を弄くる茉莉。



「家にだって、あの子の居場所なんて無いのよ?」



楽しげに茉莉は微笑む。



「っ、」



…………やっと分かった。




莉茉があの場所にいる理由。





諦めたような、


……その顔の意味を…。
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