寵愛の姫 Ⅰ【完】


「…ちょっと、苦しいんだけど。」



本当、女の子に乱暴ね。



野蛮でやんになっちゃう。



「っ、」



ぎりっと噛み締められる天野さんの唇。





……はっ。


馬鹿みたい。



「どうやら“この顔”は殴れないんだ?」



…………同じ顔だもんね?




それだけは莉茉に感謝してあげる。




痛いのは嫌だし。
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