寵愛の姫 Ⅰ【完】





「……、」




ドアの開く音に、顔を上げだ秘書の 峰藤一樹(みねふじかずき)



「…お出掛けですか?」



素早く俺に歩み寄る。



「…あぁ。」



そんな一樹に視線を向ける事なく頷いて、エレベーターへと足を進めた。




(あきら)様、どちらに?」


「繁華街。」


「……。」



言葉少なく要件を呟けば、一樹の目が細められた。
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