寵愛の姫 Ⅰ【完】



「っ、」



膝を抱えて丸くなる。




このまま、


…………(うずくま)って消えてしまいたい。




「―――大丈夫か?」



不意に降ってきた低く透き通るような声。



「……。」



億劫に顔を上げれば、私を見下ろす恐ろしいぐらいに顔が整った男の人がいた。
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