寵愛の姫 Ⅰ【完】



「なぁ、」


「うん?」


「莉茉はここで何してんだ?」




煙草を取りだし、吸い出す高崎さん。





…何をしてる?





…………そんなの…。



「……別にただ人を見てるだけ。」



淡々と私は呟いた。




特に目的があって、ここにいる訳じゃない。




ただ、


…………他に行く場所が私にはないんだ。
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