寵愛の姫 Ⅰ【完】



「俺が消してやろうか?」


「…え?」



はっ!?


…………消す?





呆然と見上げれば、高崎さんは妖艶な笑みを浮かべた。



「お前を煩わせる奴は、俺が殺してやるよ。」


「…………、」



物騒な高崎さんの物言いに背筋が凍り付く。



「…殺すって…。」


「うん?」


「本気なの?」




胡乱(うろん)げな視線を向ければ、高崎さんは揺るぎない眼差しで私を見下ろしていた。
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