寵愛の姫 Ⅰ【完】

接触―暁side―



きっちり5分。



銀次の運転で繁華街に辿り着いた俺は、大雅を連れて歩き出す。





ちらほら俺に頭を下げに来る奴等に一瞥も向けず歩むを進めれば、直ぐに見えてきた姿。



……膝を抱えて、小さく丸くなる華奢な身体。



「―――大丈夫か?」



声を掛ければ、億劫そうにその顔が持ち上げられた。
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