寵愛の姫 Ⅰ【完】




「…忘れる?」



ーーーー叶くんを?



「あぁ、忘れろ。」



頷く高崎さん。



「……。」



ーー出来るのだろうか。



あんなにも、


…………恋い焦がれた人を忘れるなんて事が…。




「莉茉。」


「うん?」


「大丈夫だ。」


「え?」



高崎さんの力強い瞳が私を見下ろしていた。
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