寵愛の姫 Ⅰ【完】



「…莉茉…。」



鋭い瞳をした高崎さんが私の顎を持ち上げ、目線を合わせる。



「ーーー何が信じられねぇ?」


「っ、あなたもどうせ茉莉を選びます!」




…………茉莉は手段を選ばす、私から全てを奪っていく。



「あり得ねぇな。」



私の懸念を高崎さんは鼻で笑って否定した。



「それでも、もし…。」



高崎さんの瞳が私を見据える。



「ーーーお前以外を愛した時は、莉茉が俺を殺せ。」
< 201 / 381 >

この作品をシェア

pagetop