寵愛の姫 Ⅰ【完】



「莉茉…?」

「…………。」



高崎さんが私の顔を覗き込んだ気配がする。




でも、その時にはもう、睡魔の微睡みに落ちてしまっていた。




ーーーーごめんなさい、


………高崎さん。



「莉茉、愛してる。」



意識が沈み行く間際に、高崎さんのそんな声を聞いたのは、



………私の気のせいだったのかも知れない。
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