寵愛の姫 Ⅰ【完】




「嫌われたくないだろ、莉茉ちゃんに?」


「……チッ」




にやりと口角を上げる大雅に舌打ちをして、その場に置き去りにしたまま歩き出す。




「ちょ、置いて行くなよ!」



慌て着いて来る大雅に冷たい目を向けた。



「黙れ、もしも莉茉が起きたらどうすんだ?」


「…すいません。」



俺の本気の怒りに即座に謝ってくる大雅。



…………その顔も引き攣っている。
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