寵愛の姫 Ⅰ【完】



「しばらく、莉茉の全ての情報を隠せ。」


「……組長にもですか?」



大雅の顔から笑みが消え、真剣な表情へと変わる。



…………こういう切り替えの早い奴は嫌いじゃねぇ。




だからこそ俺の右腕として側に置いている。



「……いや、親父達に面通しする時に粗方の事は知っておいた方が良い。」



莉茉の境遇を知っていた方が、多生は親父からの協力を得やすいはずだ。
< 212 / 381 >

この作品をシェア

pagetop