寵愛の姫 Ⅰ【完】




俺が暁と初めて会ったのは、まだ小学校3年、



…………いや、4年の時だったかな。



「ーーー大雅、あちらが大雅組の跡取りになる暁様だ。」


「…………。」



親父によって遠くから見せられた高崎組の跡取りになるであろう暁は、



…………冷めた目をした子供だったのが印象的だった。



「暁様はお前が将来、お仕えする方だ。」



そんな暁を滅多に笑わない親父が誇らしげに見つめているのが俺には不思議だったんだよね……。
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