寵愛の姫 Ⅰ【完】
「…………若、明日の予定は如何なさいますか?」
エレベーターで上階にある暁の部屋に向かう途中で、そう俺は口を開いた。
「…明日は1日、予定を空けておけ。」
「…………。」
…………思った通りの返事に俺の口角が上がる。
暁が莉茉ちゃんを部屋に1人で留守番させられる訳がない。
「……すでに若の予定の手配は整ってあります。」
僕ちゃん、頑張りましたよ?
まぁ、
……誉めては貰えないだろうけどね。