寵愛の姫 Ⅰ【完】
……えっ?
何だろう、
…………この部屋に鬼がいらっしゃるんですが…。
「高崎さん…?」
恐る恐る呼び掛ければ、高崎さんの目が細められた。
「うん?」
「……あの、お顔がとても怖いことになっているんですが…。」
「あぁ。」
楽しげに高崎さんの口角がゆるりと持ち上げる。
「莉茉の両親にどんな報復をするか、今から楽しみだな。」
「!!」
笑っていない高崎さんの瞳に、
…………私は狂気の光を見た気がした。