寵愛の姫 Ⅰ【完】



「……莉茉。」



ゆっくりと手を伸ばし、その頬に触れた。



「っ、」



触れた一瞬、莉茉の身体がびくつくが、直ぐに擦り寄ってきた。




…………その顔は少し微笑んでいるようにも見える。




その仕草に俺の中にある狂気が静まっていく。



「…高崎さん。」


「うん?」


「ーーーお願いがあるんですが…。」



おずおずと見上げてくる莉茉に俺は首を傾げた。
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