寵愛の姫 Ⅰ【完】



「…暁だ。」


「え?」


「いつまでも『高崎さん』なんて呼ぶんじゃねぇよ。」


「……。」



恥ずかしいのか、莉茉の目線が伏せられる。



「莉茉。」


「……。」


「ーーー呼べよ、莉茉。」



優しく耳元で囁く。



「っ、」



それだけでぴくりと跳ねる華奢な身体に頬が緩む。




……このまま……



…………俺にどろどろに甘やかされれば良い。
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