寵愛の姫 Ⅰ【完】



「……莉茉。」



……俺なしでは生きられないようになれば良い。




震えた莉茉の身体を支える腕に力を込める。



「……。」


「……。」



ゆっくりと合わさる視線。




ごくりと唾を飲んだ莉茉の口がゆっくり開かれる。



「暁…さん?」


「……、」



潤んだ莉茉の瞳に俺の背中がぞくりと粟立った。
< 238 / 381 >

この作品をシェア

pagetop