寵愛の姫 Ⅰ【完】



「……莉茉、『さん』も、敬語もいらねぇ。」


「……。」



欲情に掠れた俺のますます朱に染まる頬に、優しく口付ける。



「…暁…。」



小さな囁き声。




…………その瞬間、俺は莉茉の唇に噛み付くような深いキスを落とした。



「……んっ。」



漏れる甘い莉茉の声。




じっくりと丹念に唇を味わい尽くしていく。
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