寵愛の姫 Ⅰ【完】



「うん?」


「…溜め息…。」


「溜め息?」



こくりと莉茉が泣きながらも頷いた。



「……両親も、何時も私の顔を見ると吐いてた…。」


「……。」


「っ、…お前の事要らないって…。」


「…莉茉…。」



最後まで聞かず、抱き締める腕の力を強める。





―――トラウマか。
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