寵愛の姫 Ⅰ【完】
「 碌に食事も与えない莉茉の両親に憤るのは普通だろ?」
「……。」
「莉茉。」
俯く華奢な莉茉の身体を持ち上げて俺の膝の上に横抱きで座らせる。
「うん?」
「食パン以外に何か食べさせて貰ってたのか?」
「……ううん。」
首を横に振る莉茉。
「…だろうな。」
そんな莉茉に鼻を鳴らす。
「だから、お前はこんなに軽いんだよ。」
小さくて軽い莉茉。
…………このまま力を入れたら、壊れちまいそうだ。