寵愛の姫 Ⅰ【完】



「……本当?」



不安に瞳を揺らす莉茉が堪らなく愛おしい。




こんな大切な存在を今更手離して堪るか。



「あぁ、ずっと一緒だ。」



微笑んで涙が残る莉茉の目尻に口付ける。




「…塩っぱいな。」


「ふふ。」




顔を顰めた俺に、莉茉は声を上げて笑った。
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