寵愛の姫 Ⅰ【完】



「だから、莉茉。」


「うん?」


「早く俺を好きになれ。」



欲情を孕んだ暁の瞳。



…………私を求める“男”の顔。



「…うん。」



近付く暁の顔を頷いた私は目を瞑って受け入れた。






この時に初めて、




―――この人を好きになりたいと心から強く思った。
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