寵愛の姫 Ⅰ【完】



「…んっ。」



絡まるお互いの舌。




息苦しさに力の入らない手で暁の胸元の服を掴む。




……そうすれば、ゆっくりと離れていく気配。



「…莉茉…」

「…………。」



掠れた暁の声に閉じていた瞼を開けた。



「暁…?」


「……。」



名前を呼んだ私を暁は目を細めて見下ろす。



「…エロいな…。」


「え?」


「莉茉の今の顔。」



そっと頬を撫でられる。
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