寵愛の姫 Ⅰ【完】



「莉茉。」


「…うん?」



恐る恐る指の間から暁を盗み見る。



「ふっ、不安になる事なんてない。」


「え?」


「俺が帰る場所は莉茉の所だけだ。」



どこまでも暁は私を甘やかす。



―――このまま、溺れてしまいそう。



「……早く戻って来て…。」



それなら、



……少しだけ甘えても良いだろか?
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