寵愛の姫 Ⅰ【完】

深愛




「出掛けるぞ。」



朝食を片付けた後、痛む目を休ませながらソファーに座っていた私に暁がそう声を掛けた。



「ーーーどこに行くの?」



冷たいタオルを退けた私は、暁へと視線を向ける。




「買い物。」


「何を?」


「莉茉の服とか必要だろ?」


「…何で?」




首を傾げた私を怪訝そうに見下ろす暁。
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