寵愛の姫 Ⅰ【完】



「……。」



ぴくりと暁の眉が跳ねる。




「莉茉。」


「うん?」


「大丈夫だ。」



楽しげに暁は口角を上げた。



「今のあいつらにお前を構ってる暇はねぇよ。」


「……はい?」



確信したよう言う暁に私は目を瞬かせる。




「莉茉の父親は社長だろ?」


「うん、良く知ってるね。」


「調べたからな。」




さらりとそう言い放つ暁に息を飲む。
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