寵愛の姫 Ⅰ【完】



「…気になるか?」


「ううん。」



首を横に振る。



「両親に対してなんの感情もないよ。」



例え薄情だと言われても、それが偽りのない本音。




両親に抱く私の感情は“無”に等しい。



「そうか。」



そんな私に安心したように暁が笑う。



「お前にどうにかしてくれって言われたら、助けない訳にはいかねぇからな。」


「…しないよ。」



私は苦笑いを浮かべた。
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