寵愛の姫 Ⅰ【完】




「……私、そこまでお人好しじゃないもの。」




暁の胸元に顔を埋める。



「甘えたか?」



くすくすと笑って、暁は私の髪を梳く。



「…嬉しかったから。」




腕を回して抱き付きながら、暁の心音を聞いた。



「うん?」


「ずっと、私は暁に見守られてたんだね。」




暁に調べたと聞いて最初に沸き上がった感情は歓喜だった。
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