寵愛の姫 Ⅰ【完】



「…莉茉…」




ぽつりと名前を呟く。




自業自得なのに、それだけでキリキリと胸が痛んだ。




…………最後の莉茉の顔が頭の中から忘れられない。



「……はは、最低なのは俺の方じゃねぇか。」



自分の愚かしさに乾いた笑いが俺の口から溢れ落ちる。



……なぁ、莉茉。




本当にそのはにかむような笑顔も、華奢な身体さえも暁さんの物になるのか?
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