寵愛の姫 Ⅰ【完】
新生活②

食事




「莉茉、他に欲しい物はあるか?」




暁が私の顔を覗き込む。



「…ないよ」



私は首を横に振った。



「もう、一杯買ったじゃない。」


「そうか?」


「…そうだよ。」



どこか不満そうな暁に苦笑いを浮かべる。



「ーーーなら、飯にするか。」



呟いた暁が私の肩を抱く腕に力を込めて歩き出した。
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