寵愛の姫 Ⅰ【完】



「莉茉は何が食べたい?」


「何でも良いよ?」


「……食べたい物はないのか?」




暁が眉を顰める。



「うーん、特には。」



お腹を満たせればそれで私には十分で、あまり食事に対しての拘りはない。



「…………パンしか思い浮かばないんだよね。」



思い浮かぶのは食パンだけ。




それが、




…………私の日常の与えられた食事だったから…。
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