寵愛の姫 Ⅰ【完】


「ちげぇよ。」


ふっと笑う暁。



「違う?」


「お前が言う有名人じゃねぇけど、俺の顔と名前はある意味で知られてる。」


どこか自嘲染みた暁の顔。



「……?」


ますます分からなくなる暁の言いように、眉を顰める。



「…良く分からない。」


「だろうな。」



暁は鼻を鳴らした。
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