寵愛の姫 Ⅰ【完】


「…それより…。」


「……うん?」


「決まったのか?」


「え?」



煙草を灰皿に揉み消した暁が困惑する私の手元を指差す。


「あっ。」



その先を辿れば、そこには開かれたままのお店のメニュー。




すっかりそのまま放置していたらしい。



「ちょっと待ってね!?」



慌てて手に取り、メニューに視線を落とした。
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