寵愛の姫 Ⅰ【完】



「お待たせ致しました、ご注文を承ります。」


「……。」




直ぐに駆け付けた頬を上気させた女の店員に冷たい一瞥を向けた後、メニューに視線を落としたまま、




……もう顔を見る事なくすらすらと頼む物を告げていく。



「―――後、食後にチョコレートパフェを1つ。」


「えっ!?」



最後の注文の品に、向かいの莉茉から驚きの声が上がる。




「っ、暁?」


「うん?」



メニューから視線を上げれば、目を丸くしている莉茉がいた。
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