寵愛の姫 Ⅰ【完】




「美味しいか?」


「うん、美味しいよ。」



食後のチョコレートパフェを嬉しそうに頬張る莉茉。



「暁も食べる?」


「…ん。」




俺の目の前に差し出されるスプーンを口に入れた。



「どう?」



期待に輝く瞳。



「…甘めぇ。」



そんな莉茉には悪いが、俺は顔を顰ませる。



「ふふ。」



楽しげに笑う莉茉を見ながら、甘さの残る口に珈琲を含んだ。
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