寵愛の姫 Ⅰ【完】




あんな優しい眼差しをする暁を俺は初めて見たぞ。



それこそ、驚きだろ。



「……まぁ、良い事だけどね。」



ふっと笑った俺は、生暖かい目で2人を見つめた。



「莉茉、どのカップにする?」



沢山のカップを眺めながら、不意に暁が隣の莉茉ちゃんへと視線を向ける。



「……。」



でも、



…………莉茉ちゃんが暁に答える事はなく、ぼんやりと一心に何かを見ていた。
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