寵愛の姫 Ⅰ【完】




「……はいはい。」



その瞳の理由を悟った俺は肩を竦ませた。



「やれやれ、暁は人使いが荒いんんだよなぁ。」



ぼやきながらこの店の店員へと近付く。



「ーーーあの、良いでか?」


「はい?」



驚きに振り返った女の店員に俺は口角を上げる。



「あれが欲しいんだけど。」



テディベアを指差しながら、笑顔を振り撒く。




…………それだけで女の店員が頬を染めた。
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