寵愛の姫 Ⅰ【完】



「っ、テディベア、ですね?」


「そう、一番大きいので。」


「はい、少々お待ち下さい!」


「うん、頼むよ。」



慌てて取りに走る女に黒い笑みを深める。




…………莉茉ちゃんが不安にならないように、暁に近付く前に排除しておかないと、ね?



「あの、こちらのテディベアで宜しいですか?」



特大の大きさのテディベアを抱えて持って来た女に頷く。



「間違いないよ、君ありがとう。」


「……いえ、そんな……。」



うっとりと俺を見上げる女からテディベアを受け取った。
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