寵愛の姫 Ⅰ【完】
「……暁。」
「うん?」
「嬉しい、ありがとう。」
本当に嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。
テディベアだけでこんなにも純粋に喜ぶ莉茉ちゃん。
大人びた容姿なのに、その本質は幼さが混じり会っている。
……それは、彼女の育ってきた境遇に由るものが大きいのだろう。
微笑ましく見つめていれは、莉茉ちゃんの視線が俺へと向けられる。
「……大雅さんも。」
突然、莉茉ちゃんに名前を呼ばれて驚いた。