寵愛の姫 Ⅰ【完】




「なら、色はどうする?」


「色?」


「あぁ、黒に白、後はピンクと青の4種類だな。」



莉茉にサンプルの棚に並ぶ4種類の携帯を指差す。



「暁は何色?」


「黒。」



自分の携帯をポケットから取り出し、莉茉に見せる。



「うーん、暁は黒かぁ…。」


「迷うか?」


「…まぁ…。」


「なら、」


「…………?」


「…この色にしろ。」




俺は目の前の棚からその“色”の携帯を手に取った。
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