寵愛の姫 Ⅰ【完】




「そうだ、暁。」


「何だ?」


「写真の撮り方も教えてね!」




莉茉が瞳を輝かせる。



「……写真?」


「うん、この子を撮るの!」



テディベアを持ち上げる莉茉。



「…莉茉、そんなに嬉しかったのか?」



顔を覗き込めば、莉茉は満面の笑みで頷いた。



「うん、私の宝物だよ!」


「…そうか…。」




おいおい、


……宝物って……。




俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。
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